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虹の橋伝説

 

天国の手前に「虹の橋」と呼ばれる場所がある。

この星で人間の友だった動物たちが、

亡くなったあと待っている場所だ。

美しい草原と緑の丘が広がっているのは、

友だちが駆けまわり遊ぶため。

好物は食べ放題、飲み水は尽きることがない。

来る日も来る日もお天気に恵まれる。

それもこれも、小さな友だちが

あたたかく、のんびりと暮らすためだ。

病に倒れた子も、年老いた子も、

今ではみんな健康と若さを取り戻している。

傷ついた子も、障害を負った子も、

夢の中で見た、昔の元気でたくましい姿にかえっている。

どの子もこの上なく幸せで満ち足りている。

一つだけ気がかりなのは

あとに残した人間のこと。

それでも、駆けまわり遊んでいるうちに、

いつかその日は来るだろう。

ふと立ち止まり、遠くの丘に目を向ける日が。

口笛か合図が聞こえたかのように、

瞳をキラキラと輝かせ、体を喜びに震わせる日が。

そして急に群れを離れたかと思うと、

草原を軽やかに跳ねるシカのように、

どんどんスピードを上げて走っていくのだ。

そう、遠くにあなたの姿を見つけたから。

とうとう再会を果たしたのだ。

うれしくてうれしくて、あなたは、

この懐かしい友を強く抱きしめるだろう。

もう二度と離れたくないから。

顔じゅうに幸せのキスを注がれて、

昔どおりのかわいい頭を撫でれば、

疑うことを知らない無垢な瞳が見つめてくる。

ずっと昔に別れてから、

一度も忘れることはなかった相棒の目だ。

さあ、最愛の友と並んで虹の橋を渡ろう。

今ここに、聖なる環は完結するのだから。

 

――ウィリアム・N・ブリトン作「The Legend of Rainbow Bridge」

 

*ハート出版社の「天国に行ったペットたち」シルビア・ブラウン著から詩を引用させていただきました。

 とても感銘を受けた詩がありますので,皆様にご紹介致します。

 

ペットをなくされた飼い主の方々が一日も早く元気を取り戻されますようお祈り申し上げます。

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